そもそも「為替」って何? よく聞く「円高」「円安」の意味は?

普段よく聞く「為替」という言葉。でも、どういう意味かよくわかっていない人も意外に多いのではないでしょうか。為替とは元々「遠隔地同士での金銭上の債権・債務の決済や資金の移動を、直接現金を使わずに行う仕組み」のこと。私たちにも馴染みのある「口座への振込」や「口座からの引き落とし」も為替の一種ということになります。

この為替の中で、通貨を異にする国の間で行われるのが「外国為替」です。もちろん自国のお金をそのまま他国では使えません(逆も同様)から、自国のお金を他国のお金(あるいはその逆)に交換する必要があります。その交換のためのレート(比率)が「為替レート」であり、ニュース等で目にする「1ドル=●●円」というのが、それにあたります。そしてその際、併せて使われるのが「円安」「円高」という言葉です。

例えば円とドルの為替レートが「1ドル=100円」の場合と、「1ドル=120円」の場合で考えてみましょう。前者は「1ドルを円で交換するには100円必要」なのに対し、後者は「120円必要」ということになります。前者の方が1ドルを手に入れるのに20円少なくて済むわけですから、「1ドル=100円」の方が「1ドル=120円」よりも円の価値が高い=円高ということになるのです。

円高になれば、「海外の商品を安く買える(=輸入品の値段が下がる)」「海外旅行が安くなる」といったメリットが、逆に円安になれば「日本の商品が海外で売れやすくなる」といったメリットがあります。もちろん、円高であれば「日本の商品が海外で売れにくくなる」、円安であれば「輸入品の値段が高くなる」といったデメリットもあります(下表参照)。いずれにしても、外国為替が私たちの暮らしに大きな影響を与えていることがおわかりいただけるでしょう。

円高、円安が与える影響


※筆者作成

ちなみに、外国為替に関して、「ビッグマック指数」という面白い考え方があるのをご存知でしょうか。ビッグマックとはもちろん、ハンバーガーチェーン「マクドナルド」の人気商品のひとつ。「ビッグマック指数」は簡単に言うと、世界中でほぼ同一品質のものが販売されている(実際には各国で多少異なります)ビッグマックの価格をもとに、各国の購買力(貨幣価値)を比較するというものです。

例えば、ビッグマック1個が日本で390円、アメリカで4ドルで売られているとしましょう。この場合、390/4=97.5となり、「1ドル=97.5円」がビッグマック指数となります。そしてもしこの時点で為替レートが「1ドル=110円」だとすると、「為替レートはビッグマック指数に比べて(12.5円の)円安であり、この後、97.5円に向けて円高が進むだろう」といった具合に推測したりするのです。もちろん、ビッグマックの価格に合わせて、そのとおりに為替が変動することは、実際にはまずありませんが、ひとつの考え方として知っておくと良いかもしれません。

外国為替は資産形成にも影響大 リスクを抑えるために必要なこと

外国為替が私たちの暮らしに影響することは先に述べましたが、それは資産形成においても同様です。外貨預金やFX(外国為替証拠金取引)は、外国為替の変化がダイレクトに影響します。外国債券や外国の株式ももちろんそうですし、国内株式による資産形成の場合でも、外国為替の影響は避けられません。また、その一方で、将来における相場や為替の動きを確実に予測することは当然、不可能です。

だからこそ、必要な知識・正しい知識を得て、理解できることや事前に確認できることを増やしていくことが、資産形成のリスクを抑えるうえで欠かすことはできません。特に大切なのは以下の2点です。

1.リスク(仕組み)を理解する
金融商品の多くは、初心者にとっては難解だと感じると思います。しかし、「よくわからない商品を買う」ことこそ、最もリスクを高める原因になります。金融商品を購入するときは、商品の仕組みを理解し、どんなリスクがあるのかを承知してから、サインをするようにしましょう。

2.コストを理解する
金融商品の効果は、コスト(費用)によっても差が生じます。一部を除く多くの金融商品は、「契約する(購入する)時」「契約(所有)中」「売る(解約する)時」のそれぞれの段階でコストが発生します。同じ商品でも買う場所によってコストが異なることもあるので、よりコストをかけずに取得できるようにしましょう。

 

執筆者
団野 修 (だんの・おさむ)Osamu Danno
ライフコンパス代表。ラジオ出演、講演の他、年間500回以上の 20代~70代の家計相談を実施。