タップダンサーとして活動し始めて70年超、御年82の中野章三さん。兄の啓介さんと「中野ブラザーズ」というタップダンスデュオを結成し、長く活動を続けていました。現在は啓介さんが亡くなり1人で活動していますが、年齢を感じさせないはつらつとしたダンスで人々を魅了しています。

両親ともに俳優、脚本家で、子どもの頃から日常的に舞台に立つ家庭に生まれた中野さん。父に教えられた通りに演技をして、舞台で暗闇からポンとスポットライトを浴びた瞬間が忘れられなかったと語ります。
タップダンスを始めたきっかけは、『踊る結婚式』という映画。タップダンサーのフレッド・アステアが出演するその映画を観て、タップダンスに魅了された中野さんは、その後すぐに習い始め、10歳で初舞台を踏みました。

タップダンスの魅力は何と言っても「リズム」。電車で座っている時や、映画を観ている時など、いいメロディを聞くと自然に足が動いてしまって周りからは変なふうに見えるかもしれない、と笑顔で語ります。

中野さんの長いタップダンス人生の中で、舞台での活躍はもちろん、40年ほど前からは先生としてタップダンスの指導も行なっています。当時指導していた生徒が先生となって教室を持っており、次世代へと中野さんのタップダンスが受け継がれているのです。

「100周年はやりたいんです」と、屈託のない表情できっぱりと話す中野さん。「若い時にはしゃかりきになって踊っていたけれど、今は味で勝負したい」と振り返る彼が語る自分らしい生き方とは?