神奈川県秦野市の鶴巻温泉で、100年以上に及ぶ歴史を持つ温泉旅館・陣屋の女将として旅館を切り盛りする宮崎知子さん。陣屋を営む義両親の長男として生まれた夫の富夫さんと結婚したものの、エンジニアとして働いていた富夫さんが旅館を継ぐ予定は、もともとなかったと話します。

その後、義父の急死、女将兼社長を務めていた義母も入退院を繰り返すようになり、経営者が不在になってしまいます。そこで夫の富夫さんは勤めていた会社を退職し、知子さんと共に旅館の経営を担うことになりました。受け継いだ当初の陣屋は経営状態が悪く、借金も膨らんでいた状況。旅館の問題点を整理するところからのスタートでした。当時、子育て真っ最中だった知子さん。最初は本当に苦しかった、と振り返ります。

転機となったのは、情報伝達のIT化。最初は引き継ぎ事項や、変更事項を全て紙でやりとりしていました。パソコンやタブレット端末を通じて情報を共有することで、少ない人数でも効率的かつ丁寧にお客さまへのサービスを提供できるようになりました。
また、大きな挑戦として旅館では異例の週休三日制を導入。提案当初は従業員含め周囲は反対しましたが、結果的に利益も増え、サービスの向上にもつながったのです。「お客様だけでなく、従業員も幸せにしたい」と語る所以は、こういったところに見えてくるのかもしれません。

鶴巻温泉 元湯 陣屋
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