自分に合った保険を選ぶ第一歩 「ライフステージ」とは何か?

自分に合った保険選びのポイント――それは今、自分がどの「ライフステージ」にいるのかを把握することから始まります。
「ライフステージ」とは、例えば社会人になった時や、結婚した時、子どもが生まれた時、子どもが独立した時等、様々な人生の節目のこと。実際に保険を選ぶ際の具体的なポイントは、自分がどのライフステージにいるかによって異なってくるのです。それでは早速、ライフステージ別に、保険選びのポイントを見ていきましょう。

 

ライフステージ別に見る 保険選びのココがポイント!

①独身男性

若い世代や独身の時期は、病気だけでなく、交通事故やケガによる入院に気を付ける必要があります。若くて元気な世代の保険選びは、低めの医療保障と死亡保障からスタートするのがコツです。

◆20代男性 入院理由ランキング
1位:損傷、中毒及びその他の外因の影響
2位:消化器系の疾患
3位:呼吸器系の疾患
※厚生労働省『平成26年患者調査』より

30代を過ぎたら、今度は「自分が困らないように」という目的で保険を選びます。入院や手術で働けない期間があった場合に、自分が加入している社会保険の公的保障でまかなえる範囲(【図表1】参照)と不足する分とを想定し無駄なく保障を確保しましょう。入院時の医療費は「高額療養費制度※1」により、ある程度は抑えられますが、自己負担する費用(差額ベッド代など)や仕事を休むと収入減になる点も考慮しましょう。また生活習慣病(がん等)への備えをプラスする時期です。

※1 同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額を超えた分を払い戻す制度。

 

②独身女性

女性の場合、若くてもかかりやすい女性特有の疾患等があることに注意が必要です。医療保障は若くて保険料が安いうちに確保すると、後々も月々の負担が少なく済みます。また、併せて女性向けの特約も確保しておくと安心です。例えば妊娠してからでは特約を増やせないといったケースもあるのでご注意ください。
主な女性特有の疾患等の平均入院日数を見ると、特に「乳がん」や「子宮がん」等、女性特有のがんは、この数年で治る病気へと変化をしています。その分、再発や長期治療への対策がより必要です。

 

③子どもがいる夫婦

夫は、自分が万一の時に「残された妻と子どもの生活を守ること」を第一に考えて、保険を選ぶことが肝心です。残された家族のために必要となる死亡保障額が最も高くなるのは、末子が産まれた時です。その後、子どもの成長と共に必要死亡保障額は下がっていきます(【図表2】参照)。そのため、この推移に合わせて効率よく保障を確保できる「収入保障保険」等がおすすめです。特に子どもが小さいうちは高額保障が必要となりますので、保険料が低廉な掛け捨ての保険や、タバコを吸わない人・健康体の人の保険料が割り引かれる保険を選ぶのもコツです。
また、社会保険の公的保障を把握し、万一の時に必要な保障額を算出しておくと、効率よく保障を確保することができます(【図表2】【図表3】参照)。
一方、妻は「女性疾患への医療保障を早めに確保すること」、「自分に万一のことがあった場合の、残された夫と子どもの生活を具体的に想定して保障を選ぶ」のがコツです。もちろん共働きの場合は、家計が収入減となることも考えなければなりません。また、実家が近所にある等、子育てをサポートしてもらえる環境にある人とそうではない人とでは、出ていくお金の額が大きく異なる分、確保すべき保障も違ってくることに注意しましょう。

 

④マイホームを購入した時

住宅ローンを組んだ際、団体信用生命保険※2に加入するのなら、万一の時にはローンが清算されることを踏まえ、死亡保障額を下げる(保険料を抑える)のもひとつの方法です。
ただし、家の名義が夫の場合と、夫婦共有の場合とでは、確保する保障が違いますので、ご注意を。特に共有名義で共働きの場合、妻の死亡保障をしっかりと確保しておきましょう。住宅ローンが残ったままの状態で妻にもしものことがあった時、折悪しく夫の転職や失業等が重なって、一気に生活が困窮してしまうといったケースも決して少なくありません。

※2 住宅ローン等の利用者(債務者)を被保険者とする保険。被保険者が死亡または高度障害等になった場合、その時点での債務残高に相当する保険金が債権者(金融機関等)に支払われ、債務が清算される。

 

⑤シングルマザー・シングルファザー

「自分に万一のことがあった時、残された子どもたちが路頭に迷うことがないようにする」ことを第一の目的に、保険を選んでください。女性でも一家の大黒柱となりますので、優先順位を明確にして、必要なものから確保していきましょう。優先すべき順位は、「自分の死亡保障」>「自分の医療保障」>「子どもたちの教育費の積立」になります。

 

⑥子どもが社会人になったら

子どもや家族のための保険から、夫婦や自分のための保険に切り替える時期です。何より高額な学費の負担から解放されますので、老後に向けた貯蓄を一気に頑張る時です。
老後の資産形成には、個人年金保険の他、貯蓄と一生涯保障を兼ねた終身保険を活用することもおすすめです。また低金利時代の今は外貨建保険の人気が高まっています。
保険商品ですから、所得税が軽減できる制度(生命保険料控除、年金保険料控除)を活用できたり、自分自身が万一の時には相続税の控除があったりという具合に、他の金融商品にはないメリットがありますので、有効に活用しましょう。

 

⑦シニア世代

「安心して第二の人生を送れるようにすること」が保険選びのカギとなります。医療保険は一生涯保障タイプのものがおすすめですが、預貯金で医療費を確保できる場合は、これを減らしてもいいでしょう。また、長く低金利が続いている現状を考慮すると、退職金等まとまった資金の計画的な運用には、外貨建保険がおすすめです。ただし外貨建保険は、満期や解約時等に換金する際、その時点での為替レートの影響を受けることになります。そのため、円高の時に満期金や解約返戻金を円換算で受け取ると損失となる場合もありますので、ご注意ください。その他、介護に備えた年金選び等もポイントとなります。

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いかがでしょうか。それぞれのライフステージに応じて自分や家族に合った賢い保険選びをすることで、より効率的に安心を手に入れることができます。今回の内容をご参考に、さらに豊かな人生に繋げていただければと思います。

 

執筆者
森田 直子 (もりた・なおこ) Naoko Morita
保険ジャーナリスト。㈲エヌワンエージェンシー代表取締役。保険専門の執筆家で実績多数。庶民的な文体に定評がある。