生命保険を選ぶ際には不可欠 把握しておきたい「必要保障額」

自分や家族に万一の事があった時(=世帯主・扶養者が亡くなった場合)、どのぐらいの保障があれば安心なのか……、皆さんは考えたことがありますか?
もちろん原則は、出ていくお金(支出額)の合計から、入ってくるお金(収入額)の合計を引いた額が、いざという時に必要なお金、すなわち生命保険を選ぶ時「必要保障額」となります。そこで今回は、必要保障額のおよその目安を確認するための方法をご紹介しましょう。もしもの時にいくらぐらい必要になるのかを把握しておくことは、無駄を省いた効率的な保険選びにも役立ちます。
この機会にぜひ皆さんも、遺された家族にとっての必要保障額を把握しておきましょう。早速、下図の「チェックシート」を参考に、計算してみてください。

 

子どもの人数・進路、住宅ローンの有無…… 家庭ごとに必要保障額は様々

さて、計算の結果、皆さんのご家庭の必要保障額はおいくらでしたか?予想よりも多かった方、逆に予想よりも少なかった方、それぞれいらっしゃるに違いありません。
実際の必要保障額は、家庭によってかなり違います。それは以下に挙げるような諸要素が、ご家庭ごとに全く異なっているからです。

支出面|子どもの年齢(末子の年齢)/子どもの人数/子どもの進路/住宅ローンの団体信用保険の有無 etc.
収入面|公的保険の種類(国民年金or厚生年金)/預貯金や不動産など保有資産額/配偶者の収入 etc.

これらの要素がそれぞれ少しずつ違うだけでも、積み重なることで最終的に大きな違いになります。例えば、子どもの人数が同じでも、年齢が違えば結果は変わりますし、人数・年齢が同じでも進学コースなど教育費の違いや、配偶者の方が働く場合の環境や収入の違いによっても変わります。
また、特に自営業の方など国民年金加入者の場合、厚生年金加入者と比べて、遺族年金が少なくなりますので、その分の保障の確保が重要になることは覚えておきましょう。

 

必要保障額は毎年変化していくもの 特に“人生の節目”には、ぜひ計算を

万一の時に最も高額な保障が必要な時期は、末のお子さんが産まれたばかりの時。その後の生活費や教育資金をまるまる確保しなければならないからです。年数が経過し、子どもの成長と共に「末子が独立するまでの遺族の生活費」(チェックシートの①)及び「教育資金」(同③のa.)が減っていくにつれ、必要保障額も減少していくことになります。
また、毎年の変化だけではなく、必要保障額が急に変わることもあります。例えば、子どもが新たに誕生した時やマイホームを購入し住宅ローンがスタートした時、転職など収入の増減があった時、子どもの進学コースを変更した時などです。したがって、様々なライフイベント=“人生の節目”のタイミングごとに、必要保障額をチェックすると効果的です。
頻繁に変わる必要保障額を毎回計算し直すのはかなり骨が折れますが、ご自身の今後の収入額推移や社会保険料を把握されている方には、それらの数値を入力するだけで必要保障額を計算してくれるウェブサイトもあります。また、もっと手軽な手段として生命保険の営業担当や窓口に相談する方法があります。保険会社が提供する専用のプログラムで即座に計算できたり、不明な数値があっても業種ごとの収入の平均値から算出してくれたりと便利にできていますので、人生の節目を迎える際には保険のプロに相談してみるのがおすすめです。

 

死亡保障の確保のために検討を 「収入保障保険」について

すでに述べたとおり、必要保障額は「末子の誕生時期をピークとし、末子の成長と共に段々と下がっていく」という変化のラインをたどりますが、そのラインに沿って効率よく保障を確保できる保険商品として「収入保障保険」があります。この商品は、万一の時に遺されたご家族が、お給料のように毎月保険金を受け取れるという仕組みです。受け取る期間は契約期間の残存期間となり、無駄なく必要保障を確保するという目的に最も適した商品です。
保険会社や個々の商品ごとに、健康状態や喫煙歴によって保険料の割引があるなど特徴が異なりますので、検討される場合は、よく見比べて選ぶといいでしょう。

 

執筆者
森田 直子 (もりた・なおこ) Naoko Morita
保険ジャーナリスト。㈲エヌワンエージェンシー代表取締役。保険専門の執筆家で実績多数。庶民的な文体に定評がある。